校内で生成AIの活用について話題にすると、先生方からはこんな声が上がります。
「生徒がchatGPTで宿題を済ませてしまうのではないか」
「AIに頼ることで試行力が落ちるのではないか」
サポーターとして学校に関わる立場だからこそ、こうした不安はよくわかります。
私自身、全ての生徒の利用状況を把握しているわけではありませんし、実際に”便利な答え”として使っている生徒さんも一定数いると感じています。
(実際、自分も最近はすぐにAIに聞いてしまいがちです)
それでも、校内で実践を重ねる中で見えてきたことがあります。
生成AIは、”検索の強化版”ではない、ということです。
ChatGPTのような対話型AIは単に情報を集める道具ではなく、入力された言葉の精度をそのまま返してくる装置です。
曖昧に聞けば、曖昧に返る。
具体的に設計すれば、精度が上がる。
生徒さんたちにこのことを理解してもらい、生成AIが単なる「調べものツール」ではなく、
言語設計の精度を可視化するツールだと捉えてもらうことが大切だと考えています。
そこで、特に活用に悩まれていた国語科の先生に、こんな授業提案をさせていただきました。
『逆プロンプトクイズ』/
生徒にAIの出力結果だけを提示し、問いかけます。
「この文章を生成させるためには、AIにどんな指示をしたと思いますか?」
生徒さんたちは、
・誰に向けた文章なのか
・どんな条件や制約があったのか
・どの立場から書かれているのか
自分なりに考えたプロンプトを実際に入力し、
元の出力にどこまで近づけるかを試します。
聞き方ひとつで、まったく違う答えが返ってくることもあります。
最終的に、元の出力に一番近づいた生徒がどのような指示文を書いたのかを共有し、
“どうすればその答えにたどり着けるのか”を全体で検討します。
実際にやってみると、生徒たちは驚くほど苦戦していました。
AIは「察してくれない」相手だからこそ、普段の会話では通じる曖昧さが、通じない。
「いい感じにまとめて」では、いい感じにはならない。
自分の考えを、実はまだうまく言語化できていなかったのだと生徒さんには気づいてもらうための授業内容を提案しました。
私は先生方と、生徒さんが生成AIを“使う前提”で「どう育てるか」を一緒に考えたいと思っています。
今回は国語の授業を例に挙げましたが、
・問いの精度を上げる
・条件を整理する力を鍛える
・AIの読解力や限界を検証する
こうした活動は、
情報科や探究活動にも自然につながっていくと感じています。
