ChatGPT等の生成系AI基礎研修
日田、耶馬溪地区を担当しています、サポーターの矢幡です。^ ^
日田地区の高校さんで教職員様向けの生成系AI基礎研修を務めさせていただきましたので報告します。m(._.)m
はじめに…
本研修は、生成AIを活用する前の基礎的な研修会ですが、 AI技術は日進月歩で変化・進化を遂げています。
数ヶ月前まで最新だったものがすぐに廃れることがあるほど早いスピードで進歩しています。
※講師は人工知能の権威や専門家ではございませんので質問に正しくお答え出来ない場合がございます。予めご了承ください。m(_ _)m
※2023年12月時点での情報を基に資料を作成しております。
AIの教育活用、保護者の7割が不安。何に対する 不安を感じているのか?
実態調査から…
学校で使われているメール連絡網「マチコミ」
「マチコミ」が行った生成AIに関する保護者アンケートを公開しました。
“「マチコミ」を提供するドリーム エリア株式会社は、「ChatGPT」 をはじめとするAIが子供の学習に 与える影響に関する保護者アンケー トを実施、調査結果を発表した。
7割近くの保護者が、AI技術の発展 による子供も将来を不安視する一方 で、「使い方を指導した上で活用すべき」という声が約半数に上がった という。“
出典:こどもとIT https://edu.watch.impress.co.jp/docs/news/1515183.html
対話型生成AI「ChatGPT」とは
話題のChatGPTとは?
ChatGPT は、OpenAIが2022年に公開した人工知能チャットボットであり、生成AIの一種。
※2022年1月までの情報
GPTの語源Generative Pre-trained Transformerとは、生成可能な事前学習済み変換器と言う意味である。
ChatGPT 3.5(無料版) ChatGPT 4(有料版 20$/月)
※利用規約:13歳以上、18歳未満の場合は保護者の同意が必要
ChatGPTに聞いてみた^_^
得意なこと:
質問に対する情報提供: 一般的な知識、歴史、科学、文化などに関する質問に答えることが得意です。
文章生成: 複数のトピックにわたる文章やクリエイティブな文章を生成することができます。
対話: 自然な対話形式でコミュニケーションし、ユーザーの質問や要望に対応します。
不得意なこと:
最新の情報: 私のトレーニングデータは2022年までのものであり、最新の出来事や情報に対する正確な答えを提供することが難しいです。
意味の理解の制約: 文脈に依存する質問や抽象的な概念に対する理解が、時折制約されることがあります。
感情の理解: テキスト上の感情やニュアンスの理解が苦手であり、感情的なコンテキストに対応するのは難しいです。
注意: 私はプログラムされたアルゴリズムに基づくもので、人間のような理解や判断力は持っていません。情報の利用には慎重にお願いします。
ChatGPT操作実演
まず、操作実演で生成系AI(ChatGPT)はどのようなものか、知っていただく為にいくつかChatGPTに質問を投げかけました^ ^
研修日がお正月前だったので、正月旅行のスケジュールを聞く命令文を送ってみました。
命令文(プロンプト)
「大分発東京着の2泊3日のお正月旅行の スケジュールを立ててください」
すると、ChatGPTがものすごい速さで東京旅行のスケジュールを立ててくれます(゚ω゚)
先生方は、スクリーンに映し出されるAIの回答に興味津々でした^ ^
さらに、AIのスケジュールに「見やすく表形式にして!」と命令文を追加すると、人間が見やすく表形式で表示してくれます^ ^
研修会場からは、「お〜おっ!!」驚きの声がもれていました(°▽°)
生成AIの概要と種類
次に、生成系AIの概要と種類のお話をさせていただきました。
・LLM(Large Language Models)
AIは、あらかじめ膨大な量の情報から深層学習によって構築した大規模言語モデル
・プロンプト
利用者が生成AIに指示をだすときの指示・命令文
・ハルシネーション(いわゆる幻覚)
生成AIの回答には誤りを含む可能性が常にあり、時には事実と異なる内容や、文脈と無関係な内容などが出力されること もある。
対話型AIは、あたかも自然に会話しているように見えるが、確率的に次の言葉をはめ込んでいるの過ぎない!
例:「むかしむかし」に続く言葉 「あるところに…」
対話型生成AIと画像生成AI
対話型生成AIは、指示文から文章生成する事ができるAI、画像生成AIは、指示文から画像生成するAIです。
その他、音楽生成AIや動画生成AIなど様々なAIが現在開発されています。^ ^
対話型AIの代名詞と言えるのがChatGPT、その他GoogleのBard、Bing chatなど
画像生成AIでは、Midjourney、Stable Diffusion、DALL・E2、Adobe Firefly
画像生成で話題を集めたのがStable Diffusionで、2022年に静岡県を襲った台風15号、SNSで拡散されたドローンで撮影されたとされる画像が、実はAIで作成されたフェイク(ニセ)画像だった件です。
残念な事に心ない人が使うと、フェイク画像がAIによって簡単に作れてしまいます。
しかし、この文章生成AIと画像生成の技術でも現在、素晴らしい研究が世界中で行われています^ ^
私が注目したのは…
漫画界の神様にAIが挑む新作読み切り誕生!
1989年に亡くなった漫画の神様、手塚治虫先生の作品を生成AIの力で甦らせる研究です(°▽°)
週刊少年チャンピオンに掲載された漫画「ブラックジャック」の新作読み切りが発売されました。
手塚先生のブラックジャックをAIに学習させて、物語のシナリオを人間と対話しながら創り出し、膨大な手塚作品のキャラクター達を読み込んで、新たな新チャラを誕生させるといった試みで、大学との共同研究により創造された令和のブラックジャックは漫画界に大きなインパクトを与えました!( ゚д゚)
TEZUKA2023 ブラックジャック
機械の心臓-Heartbeat MarkII
原作:手塚治虫 作:TEZUKA2023プロジェクト
掲載:週刊少年チャンピオン52号
・AIが手塚作品を学習
・ヒトとAIが手を組み新作誕生
Chat GPTを使う上で重要な事
文章や物語が書けたり、AIが素晴らしい技術ですが、その一方で「AIは平気で嘘をつきます^ ^」
最初に述べましたがChatGPTなど生成AIは、間違いを回答する事があります。
ChatGPTの命令文を入れる下には、「ChatGPTは間違いを犯すことがあります。重要な情報は確認をお考えください。」と書かれており、ファクトチェック(誤った情報ではないか、根拠の確認を行うこと)が重要です。
また、教育利用では、文部科学省から「文部科学省 初等中等教育段階における 生成AIの利用 に関する暫定的なガイドライン」が出ておりますので、ガイドラインを十分理解した上でご利用下さい。
https://www.mext.go.jp/content/20230710-mxt_shuukyo02-000030823_003.pdf
生成AIを利用する際に遵守すべき事項
・個人情報・機密性を有する情報は入力しないこと
・誤った情報でないか、根拠の確認を行うこと
・著作権等を侵害していないか、しっかり確認すること
・生成AIで作成したことを明記すること
・問題が発生した場合は直ちに報告すること
まとめと参考資料の紹介
今回、生成系AIの研修をさせていただくに当たり、数ヶ月に渡って情報収集を行い基礎研修資料としてまとめましたが、毎日のように更新される話題や情報に振り回されてとても疲れたと言うのが実感です^ ^:
しかし、好奇心旺盛な性格なので、AIの更なる進化に毎日ワクワクしています^ ^
新機能やバージョンアップにより、何度も研修資料を最新情報に更新しました。
ChatGPTの進化により、自然言語処理はますます洗練され、特に製造業、医療、法律、金融などの分野で専門的な対話や業務効率の向上が見込まれます。
ただし、適切な倫理的ガイドラインの整備が急務であり、ユーザーのプライバシーと情報の適切な取り扱いが求められます。
来年、2024年はさらに、AmazonやMeta、Googleの巻き返しが予想されて、AI戦国時代が到来するのではないでしょうか?
みなさんはAI戦国時代に突入するのに、武器を持たずに戦に出ますか?
AIをこれからの時代を生き抜く為の武器として、磨きをかけて行きましょう!
今回の生成AI基礎研修の資料はドライブに保存しておりますので、宜しければサポーター間でご自由にお使いくださいm(_ _)m
以上、「生成AIの利用に関する教職員様向け基礎研修」でした^ ^
◼️文部科学省 初等中等教育段階における 生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン
https://www.mext.go.jp/content/20230710-mxt_shuukyo02-000030823_003.pdf
◼️第1回「生成AIの基礎と教育における活用可能性」_令和5年9月1日 東京大学 大学院工学系研究科 准教授 吉田塁
https://m.youtube.com/watch?v=cjcUjYe8R3Q&embeds_referring_euri=https:// advisor.mext.go.jp/&source_ve_path=MjM4NTE&feature=emb_title
◼️「超」創造法 生成AIで知的活動はどう変わる?,幻冬舎,2023年
野口悠紀雄 一橋大学名誉教授 経済学者
ICT教育サポーター 矢幡 正人