特別支援学校の入出力支援装置について・その1『ビッグツイストスイッチ』

こんなお悩みないですか?

こんにちは(^-^)

日田地区を担当しています。
サポーターの矢幡です。

昨年の8月終わり頃から、日田支援学校さんの学校訪問をさせていただいております。(*゚∀゚*)
高等学校と違い、特別支援学校での業務になかなか対応できておりませんが、日々何とかお困りごとを解消しようと奮闘しております。(。・ω・。)

今年度は、支援学校のICT活用推進教員さんがほとんど変わられてしまいましたが、昨年から何度も打ち合わせさせている小学部の先生とICT活用を進めています。

そんな中、5月に第一回ICT活用推進教員等研究協議会がZOOMで開催されました。
各、支援学校の先生がオンラインで集まり、令和5年度のICT活用充実事業の説明会が行われ、その時の資料を推進員の先生から共有していただきました。
資料の中には、ICT教育サポーターの紹介もされていました。
皆さんもこれから校内研修など依頼されると思いますので、早めに資料をご確認ください。m(._.)m

さて、その説明会資料の中には、支援学校にR3年配備済みの入出力支援装置の一覧がございます。
ご自分の担当校にどんな入出力支援装置(ICT機器)が配備されているのか見ておいた方が良いですよ(^。^)

令和3年、2年前…
日田支援学校に配備された入出力支援装置の数々。。。

・Tobii Eye Tracker5(2台)

・Tobii PC Eye 5 (1台)

・ビッグツイストスイッチ(3台)

・ジョイスティックマウス(2台)

・パソッテル(2台)

なんと、ほとんどの機器が、職員室のキャビネットの中で使われる事なく2年間も眠っていました!( ゚д゚)
せっかく配備された入出力装置、なぜ使われていないかと言うと、ズバリ!使い方が分からないからだと思います。(^^;;

スイッチを起動させるにはスイッチインターフェイスが必要!

入出力支援装置をキャビネットから出してきて(先生に確認済み)どれから手をつけるかと並べて考えてみました。(^^;;

まず、Tobii (トビー)、の製品が3台、この辺は視線入力装置で、ちょっといきなり試すには設定も難しいそうだし、パソコンも無いのでとりあえず後回しに…^ ^

パソッテルは、視線入力装置と一緒に使用するノートパソコンを固定する器具。
ネーミングセンスがイマイチですね(^^;;

ジョイスティックマウスは、マウス操作を小型のレバーで動かせる装置、パソコンにUSB差し込めば、すぐにでも使えそう
(^ω^)

そして、ビッグツイストスイッチ、これは押しボタン式の装置。
今回は、このビッグツイストスイッチから紹介してみます。

外箱には、AbelNet BigRedと書かれていました。
中から赤い押しボタン式の装置を出してみると、コードが出ていて先にはイヤホンの先端部分のようなミニプラグがついています。
色は、赤、青、黄色、緑と4色のボタンを交換できます^ ^

しかし…

あッ! このスイッチだけじゃ何にも出来ないやんΣ(゚д゚lll)

スイッチだけでは起動しないことを知った私は、特別支援学校のAT(アシスティブ・テクノロジー)が掲載されたサイトや資料をネット上で片っ端からチェックしました(。・ω・。)

ふむふむ、スイッチを起動させるには、インターフェイスが必要!
東京都障害者IT地域支援センターのホームページで、スイッチインターフェイスの一覧が載っていました。

しかも、スイッチインターフェイスの値段も種類もさまざまで、どれを使えばいいか?分からない状態でした。(^^;;
その中でも、1番シンプルでお値段の安い(3000円台)、『i+Padタッチャー』と言うインターフェイスがありましたので、これならお手頃と思い、もしかしたら校内に無いかなーと思って情報担当の先生に聞いてみると、なんと、小学部の先生がiPadタッチャーを私物で持っており、触らせていただきました。

スイッチインターフェイス『i+Padタッチャー』

【商品説明】
“3.5mmのジャックが付いた電源部とタッチを行う静電スイッチ部の二つで構成されています。
静電ユニットを置いたところのみタッチ可能です。 たとえば、iPadカメラアプリのシャッターのアイコンのところに貼り付けることにより、外部スイッチでシャッターを切ることができます。
※ただし、別の所をタッチしたい時は静電ユニットを張り替えて位置を変える必要があります。“
引用:東京都障害者IT地域支援センター

i +padタッチャーは、本体とコードで静電スイッチ部分が繋がっていて、静電スイッチ部分をiPadの画面に貼りつけると操作できるようです。

ここで、そもそもiPadなどのタブレットってどうやって指で操作できるのだろうと?
疑問が浮かんできたので調べると…
iPadの画面操作の仕組みは、

『静電容量方式』
“静電容量方式とは、その名の通り静電気を利用したタッチパネルになります。タッチパネルの中には多数の電極の列があり、その表面をわずかな静電気で覆っています。タッチパネルに触れると、その静電気を指が吸い取ることで、センサーがどこの静電気が吸い取られたかを読み取り、タッチされた場所を特定し操作ができるというわけです。ですから、スマホなどに普通のペンや手袋などをした指で触れても操作できないのは、電気を通すことができず、静電気が吸い取ることができないので操作ができないということになります。“
引用:スマホスピタル

なるほど、電気を吸い取ることでセンサーが反応するのかと納得して静電ユニット部をみると、電気ショックを当てる医療機器で見たことのあるようなプニプニしたゲルがついていました。^ ^

それでは、いよいよ装着!\(^ω^)/
ビッグツイストスイッチのミニプラグをタッチャー本体のジャックに差し込み、静電ユニット部分をiPad本体の操作画面のタッチできるとことに貼り付けます。

設定はiPad本体の設定からアクセシビリティ→タッチ→アシスティブタッチをオン!
これにより、iPad画面にタッチできる小さなマルが現れます。

マルが現れたら、丸い部分をタッチすると星マークのカスタムを押してボタンを押した時の操作を入力します。
ここではシンプルにタップをカスタムしました。

そして、その丸の上に静電ユニットを貼り付け、スイッチを押すと画面をタッチした操作ができます。^ ^

iPadタッチャーで太鼓の達人をやってみた!

タッチャー本体の電源をオンにして、ボタンを押すと画面をタッチした操作が出来ました。(*゚▽゚*)

見事にiPadタッチャーでスイッチ操作することが出来ましたので、今度はなにかアプリで使えないかと、メーカーのシステムデザインラボさんのサイトを見ていたら、太鼓の達人をお勧めしていたので、さっそくサポーターiPadに太鼓の達人をダウンロードして試してみました!\(^ω^)/

名曲に合わせて、太鼓を打つことができましたが、静電ユニットを貼り付ける位置が固定されるので、『ドン』の太鼓の操作はできても、太鼓のフチを叩く『カッ』の操作ができません(^^;;

まあそこは妥協して、太鼓の達人をアイパッドの操作が不自由な児童・生徒さんが可能になると思えば合格でしょう!
こんど、自立支援の授業で生徒さんにスイッチ操作を試してもらおうと先生に提案してみます\(^ω^)/

以上、『特別支援学校の入出力支援装置について・その1 ビッグツイストスイッチ』でした。

最後に、入出力支援装置について、何も分からないところから調べるのにとても苦労しましたが、福島先生のサイトで勉強させていただきました。m(._.)m

この記事が参考になったら、『いいね!』押してくださいね!(*゚▽゚*)

「参考サイト」

・パシフィックサプライ株式会社
ビッグツイストスイッチ
▶︎ https://www.p-supply.co.jp/products/index.php?act=detail&pid=249

・システムデザインラボ(オンラインショップ)
i +Padタッチャー
▶︎ https://assistech-lab.com/

・東京都障害者IT地域支援センター
スイッチインターフェイス一覧
▶︎ https://www.tokyo-itcenter.com/700link/switch-int.html

・Sam’s e-AT Lab
(福島 勇先生のサイト)
▶︎https://sam-eatlab.blog.jp/
障害による困難さのある子どもたちの学習や生活を豊かにするためのe-AT(electronic and information technology based Assistive Technology=電子情報通信技術をベースにした支援技術)に関する話題を掲載

ICT教育サポーター 矢幡 正人

関連記事