授業支援の入り口
作成日:2023年9月14日
みなさんこんにちわ。
臼杵、佐伯豊南、津久見市の担当をしているICT教育サポーターの東と申します。今回は、今まで佐伯豊南高校の探求の授業に関わってきた経緯と支援内容などを自身の備忘録も含めて記事にしてみました。
まずICT教育サポーターの仕事として、大分県のICT教育サポータープラットフォームでは職員室で環境整備など依頼された作業を行うだけではなく、教室に出向いて「授業支援」を行うことも業務内容の主軸として紹介されています。これは事業開始当初より強調されていた分野ですが、各校ごとに先生方の理解を得ることや生徒と接することも含めて中々ハードルが高いと感じる分野でもありました。
そうした中での事業開始当初、2022年度の記録についてご紹介します。
始まりは6月、2年生の総合学科でZVC(zoom japan)をファシリテーターに迎えて、「佐伯の海産物を使用して商品を開発する」ことを目標にしたアイデアソン授業の準備、運営に参加したことでした。当時まだ導入直後のMetamojiを使い、zoomも併用しながら各グループの企画内容をモニターに映しつつ行うというもので、先生方と苦労しながら準備をしました。
当日は巡回しながら説明やトラブル対処をしていましたが、何人かの生徒が様子を見て話しかけてくれました。また授業後に総合学科主任の先生が「授業にいつでもどうぞ」と声を掛けてくださいました。とても嬉しいお言葉でしたが、特に依頼もないのに教室に行くのも気が引けますし、少し緊張もするのであまり積極的に行こうという気持ちではありませんでした。
その後も何か支援が必要な時のみ行く形でしたが、2学期の後半くらいに「生徒たちが東さん来ないのか聞いてくる」という話を他の職員の方から伝えられ、その時以降、毎回授業に顔を出すようにしました。「何か役に立てるだろうか」と不安もありましたが、また行かなくなるのも逆に変ですし、いろいろ考えて毎週とにかくこの授業には顔を出すようにしました。
意外とできることがある
2学期までそうした感じでしたが、教室で生徒たちの話し合いの様子や作業を眺めていると「こうできるんじゃないか?」「こんなことアドバイスできる」など、学習用端末やICT環境を使用してできることを色々と思い付くようになりました。
企画の調整をしたり、アレンジしたPRを検討したり、何か特別なことはしなくても今あるICT環境を存分に使えば、いろんな仕事を効率よく行えます。ですが、それをどう使えばいいのか分からない…そうした様子を見ていて、これは「自信をもって取り組んでよいこと」だと確信が湧いてきました。
とはいえ、すぐにできるわけではありません。とりあえず始めは、「こんなことができる」と思ったことは自分でやってみて、それを見せながら説明して、「真似をしてやってみよう」というスタンスで働きかけてみました。
そういった動きを続けていましたが「こっちの方が良い!」「こんなことできるんだ!」という認識が先生方や生徒間でだんだんと広がってくる様子を見ることができました。またICTとは関係なく社会人としての経験も役に立つことが分かり、「取引先への電話の仕方が分からない」「プレゼンテーションで何をどんな風に言えばいい?」など、いろんな相談がありましたが、対応可能な範囲はフォローするようにしました。そうこうしているうちに、授業内で生徒からの相談や対応する件が増えていきました。
先生方からのお話
そのようにして取り組んでいましたが、年度末の話し合いでは先生方と教頭先生から評価をしていただけました。
色々なお話を頂きましたが、「生徒のヤル気を引き出すことに成功している」「起爆剤的な役割で物事を前に進めてくれる」「是非来年もこのまま授業支援をお願いしたい」とのお話をいただき、とても嬉しく感じました。支援をする中で色々な相談がありますが、あれこれ考えて上手くいった時や、生徒たちと接するのも楽しく、そうしたことも原動力になっていました。「来年も是非」というお話で、授業支援が軌道に乗ったと思えた瞬間を覚えています。
次回からは、2023年度に授業の中で行ってきたことをまとめようと思います。
ICT教育サポーター 東一晃