大分県立佐伯豊南高等学校 授業見学

ICT教育サポーター活動紹介@大分県立佐伯豊南高等学校

積極的な授業支援の様子を潜入レポート!

爽やかな五月晴れの大分県立佐伯豊南高等学校

取材日:2024.05.21(火) 

今回は5月21日(火)に総合学科 3年生・約70名を対象に行われた授業支援の様子を紹介します。

ICT教育サポーター活動の中でも、生徒たちへの直接的な授業支援は珍しいケースなのだとか!

教員・生徒・ICT教育サポーターの3者が積極的に交流し、より良い学びの場を一緒に作りあげるステキな現場を追いました。

学校から厚い信頼を得る東さんの授業支援を紹介!

iPadを出して授業を受ける生徒たち

この日、担当ICT教育サポーター・東さんが授業支援を行ったのは『総合的な探究の時間』です。

佐伯豊南高校の3年生の間では『未来の時間』とも呼ばれています。

これは自ら設定したテーマについて深堀りし、最終的に自分の手でまとめるというもの。

英語や数学のテストのような正誤はなく、自分なりの答えを発見するクリエイティブな学習です。

和やかに授業支援をする東さん

今後、長期間に渡って探究するにあたり、7つのグループに分かれて個人もしくはグループワークを行う予定の3年生。

そこで主に授業支援アプリ『MetaMoji ClassRoom』を使って、事前に準備済みの『仮・探究計画書(紙資料)』をアプリ内に落とし込むデータ化作業が行われました。

東さんは操作に困っている生徒はいないか、何をすれば良いか分からないフリーズしている生徒はいないか…とさりげなく教室内を観察しながら歩き回り、適宜フォローしていきます。

紙資料を見ながらデータ化に取り組む生徒たち

生徒たちも東さんに積極的に話しかけ、作業に必要な質問だけでなく取り組むテーマや『MetaMoji ClassRoom』を使って挑戦したいことを話す姿も見られました。

そんな生徒たちに、ICT教育サポーターの東さんについてどんな感想を抱いているのか訊ねてみました!

ICT教育サポーターに対する生徒たちの声

「アプリの使い方を全面的に教えてくれて、とても助かっています!」
小野稜晟(おのりょうせい)さん

「困っている時に、スススッと来て察してくれることも多いです」
仲 鈴花(なかりんか)さん

「とにかく知識が豊富で、居てくれる時はめっちゃ安心して授業を受けています」
五十川聖楽(いそがわせいら)さん

「以前、『ロゲイニング(街歩き)』の授業で教えてもらったGoogleマップの使い方が印象に残っています。普段の生活でも面白くて使ってます!」
山田瑠穂和(やまだりほな)さん

このように授業を通してだけでなく、生徒たちの声からも東さんのICTスキルや支援力に信頼が寄せられていると伝わってきました。

一方、次の章では先生方と東さんがどんなステップで授業の日を迎えたのか、気になる裏側を紹介します!

授業の準備は先生たちと息を合わせて2人3脚!

多様な教科の先生方が一緒に担当する『未来の時間』

まず授業で実現させたいこととICTを使って出来ることのすり合わせを行ったという先生たちと東さん。

実は『未来の時間』は、イレギュラーな行事等により時間が削られることもしばしば…。

先生たちとしては生徒が空き時間や自宅でも、自主的に探究を進められる環境を整えたいとの思いがありました。

さらにグループワークで、生徒間同士で探究状況を閲覧したりコメントしたりできれば、授業外でもお互いのモチベーションを刺激し合えるのではないかと考えたそうです。

そこで授業に利用するアプリについて先生から相談を受けた東さん。

各アプリの機能やメリット・デメリットを分かりやすく説明した上で、選んでもらったそうです。

ちなみに『未来の時間』には、数学や商業など様々な科目の先生たちが合計7人携わっています。

先生たち自身もチームで関わるため、最終的に全員が授業で使い慣れているアプリを使ってグループワークの指導を進めることになりました。

『未来の時間』担当教員のひとり、五十川先生。普段は家庭科が専門

実は当初、この日の授業支援の内容はグループワークの初回に、班の担当教師が各自で行う予定になっていました。

しかし今後の授業でもずっと使用するツールであることもあり、1番理解しているICT教育サポーターからバシッと全員に向けて教えることは可能かと相談を受けたという東さん。

2つ返事で「出来ます!やりたいです!」と回答し、今回の授業支援に繋がったのだといいます。

準備についてお話をうかがう内に、先生たちと東さんが日頃から積極的にコミュニケーションを図る佐伯豊南高校 総合学科のケースならではの特徴が見えてきました。

2人3脚で進める準備によって実績と信頼を得てきた東さんに、自然と授業支援をお願いされる機会が増えているのもうなづけますね!

『未来の時間』担当・五十川智恵(いそがわちえ)先生のコメント

「東さんが来てくれるようになって、ICT機器を使った授業がスムーズに行えるようになりました。

どんな疑問にも的確に答えてくれるので、次はいつ来てくれるのかなと質問を考えて待っていることもあるくらいです笑。

最近は私たち教員側のICT機器に関するスキルがもっと高くなれば、ICT教育サポーターへの質問もより高度なものになるのではと考えています。

生徒たちのために受け身な姿勢で教えてもらうばかりではなく、一緒に成長していきたいです!」

授業支援の幅を学校・生徒たちと共に切り拓く東さん

最後に:

このように佐伯豊南高校 総合学科では、ICT教育サポーターが準備段階から授業まで深く関わって支援する活動が成り立っています。

しかしこれは担当3年目を迎えた東さんと先生方や生徒の皆さんが、コツコツと時間をかけて築いた信頼関係あってこそ!

この記事を通して、教員・生徒(ご家庭)・ICT教育サポーターの3方向から、授業支援の可能性について新たな視点で興味を持ってもらえたらうれしいです。

その先に各学校に独自のスタイルで授業支援が根付いていく、そんな ”未来の時間” が待っているかもしれません。

佐伯豊南高校 総合学科におけるICT教育サポーター活動の詳しい軌跡については、東さん自身のレポートもアップされています。ぜひこちらもチェックしてくださいね!                                                                             

筆者:対島 敬           

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