2023年度 佐伯豊南高校「地域探究」授業支援の記録 前半

2023年度 佐伯豊南高校「地域探究」授業支援の記録 前半

皆さんこんにちは。臼杵・佐伯豊南・海洋科学・津久見市担当の東です。

作成日:2023年10月17日
 
今回は佐伯豊南高校での2023年度の活動をまとめてみようと思います。2023年度、佐伯豊南高校では授業支援がおおよそ週に5時間ほどあります。まとめてみると、

・地域探求の授業 (2年選択科目2時間)
・3年生の総合の時間 「未来」 (2時間)
・2年生の総合の時間 「虹」 (1時間)

となっています。それぞれ分けて紹介したいと思いますが、今回は地域探究です。

地域探究の授業

 先生から渡された地域探究のシラバスの中から、ICTサポーターが関係していると思われる部分を抜粋すると、科目全体の評価観点「思考・判断・表現」の中で「◎実生活や実社会、他者や自己との関りから問いを見いだし、自分で課題を立て、情報を集め、整理分析して、意見や考えをまとめ表現する」という標記があります。
 その上で各単元とその評価基準が設定されており、
・「地域を知り、現代的課題を知る」という単元の中の思考・判断・表現の部分では「佐伯の現状や特徴などを焦点化し、佐伯が持つ魅力や課題について、自分の意見や考えをまとめる」 
・「キー・コンピテンシーとその活用」という単元の中では、知識・技能の部分で「思考ツールやICT機器、プレゼンテーションソフトなどの活用の仕方について理解している」 等が記されています。
それで、こうしたことを目標にICT活用を実践していくと理解できます。

 そしてこの授業には探究の授業専門のスクールサポーターさんがおられ、人脈を活かして様々な人材を授業に引っ張って来られます。

4.5月 授業開き

 まずは授業開き、新2年生に紹介をしてもらいました。始めの授業は一通りあいさつをして、お互いを知ろう!ということで、自己紹介シートをみんなで書いていました。ほのぼのとした春の空気の中、見せてもらったシートを元に色々と話をしてみます。
 次の授業からはスクールサポーターさんの提案で「地域探究カフェ」と銘打ち、毎回の授業で佐伯に関係する食べ物やスイーツを授業の合間に出すことになりました。毎回、佐伯の美味しいものが登場する素敵な授業です。
そしてその後は、佐伯の振興に尽力しておられる方々の講演や調べ学習が数週間続きます。この頃は、海産物やお茶といった特産物に焦点を絞って生産者さんとzoomを通して魅力や発展を考えるなど話し合っていましたが、地域科学研究所との授業コラボが行われるということで、7/8日に「街歩きロゲイニング」イベントを開催することになりました。
 それでその後は地域科学研究所の授業が始まるまで、Googleアカウントを取得したり、Google mapの活用方法をレクチャーしたりと、ロゲイニング授業に向けて準備を行いました。

6.7月 街歩きロゲイニングの授業

そもそもロゲイニングとは何でしょうか?
簡単に説明すると、参会者はチームを組んで特定のスポットを周り、設定されたミッションをこなすと点数がもらえるというゲームです。それで作戦を立て、時間内により多くの点数を稼いだチームが勝ちというルールになっています。ミッションによっては、スポットに設定されたお店の方の話を聞く、運営側が設定した特定の場所を見つけ出し写真を撮るなど、その地域の特色を体験しながら理解を深めることができるので、地域振興に利用されているとのことでした。
 授業では地域科学研究所と関係する各団体の紹介から始まり、地域振興とは何か?その手法、考え方、他の地域での実例紹介などの話が続き、街歩きロゲイニングについて説明が行われました。情報量の多い話もありましたが、生徒達も頑張って付いてきていました。
 その後の授業はロゲイニングで周るスポット設定や、GISアプリの活用の仕方、学校を出てフィールドワーク、チラシ作成、本番用の紹介動画を作成するなど、7/8のイベントに向けて、毎回入れ替わり立ち代わりたくさんの関係者と関わりながら準備を進めていきました。

そして、こうした外部企業との授業を行う際にICT教育サポーターができることが大きく分けて2点あると気付きました。
①円滑な授業を行うための環境説明や設定ができる。
企業からすれば「できるだろう」といった様子で準備してきたものが、学校特有の環境ゆえに使えないことがありました。そうしたことを説明したり、用意してきたデータのどこまでが使えるか?などをこちらから説明して円滑に授業を行ってもらうことができました。これはICT教育サポーターならではの強みだと感じました。
②生徒と外部の方々のクッション剤になること
普段接しない外部の社会人と接するにあたって、作業の進め方や独特な言い回しで伝えられた言葉が分からないなど、生徒の様子を見ていても「内容に付いて来られていない」と感じる場面もありました。自身も外部の人間ですが、少なくとも普段から接している部分はあるので、分かるように説明を加えたりとある程度のクッション材になることもできました。

街歩きロゲイニング実施

 当日はボランティアでイベント運営に関わってくれる生徒たちを募り、対象の一年生のサポートや自分たちが準備したイベントがどのように実施されるのかを体験しました。
生徒達もイベント当日は嬉しそうにしており、それぞれの配置場所を確認し、巡回して様子を見守りました。また先生たちとイベントに参加した1年生の動きや流れを連絡し合いながら、全員がまんべんなくスポットを回れるように促していました。実際にイベントを実施して概要が理解できた様子で、生徒達も楽しそうにサポートをしていました。
 午前でゲームは終わり、お昼休憩を挟んで午後から結果発表でしたが、先生方とボランティアに参加した生徒全員にご褒美と称してカフェを飲んだりと、良い思い出になりました。
午後から結果発表を見守った後にイベントを無事に終え、1学期の残りの授業はイベントに参加できなかった生徒向けに報告会や振り返りを行い、ロゲイニングの授業は終わりとなりました。

2学期は「国際交流」

 さて2学期は国際交流をテーマに授業を進めていくとのことで、佐伯市で地域起こし協力隊として活躍しておられるベトナムの方を講師に授業が進んでいきました。10月下旬に佐伯市内の桜ホールで開かれるワールドフェスタ&ベトナムフェアで出店することを目標に、ベトナム文化についての説明、調査、商品の発案、試作などを行っていきます。
 2学期からはロゲイニング授業で一時中断していた「地域探究カフェ」も復活し、ベトナムチョコや春雨海苔巻きの激辛ソース付けなど、東南アジアの味を生徒たちに色々と体験してもらいました。
色々と試食をして味付けの方向が分かったので、実際に調理をしてさらに理解を深めていきます。
2学期前半の時点ではICTを使う場面は少なかったのですが、授業の過程を知ることで学習成果をまとめたり、発表を行う後半の授業でどのように支援できるか色々と考察することができました。今回の内容はここまでとなります。

ICT教育サポーター 東一晃

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